機械設計者の転職事情
機械設計者は求められる業界も多いため、モノづくりエンジニアとしては求人数も多くニーズが安定している職業の一つです。近年は人材不足の影響もあり転職は売り手市場です。
キャリアを積んだ40代や50代の方の場合には、今より良い条件で転職が出来る可能性もかなり高くなると考えられます。逆に、知識や経験のない人にとっては転職することが難しい職種でもあります。
ただ難しいとは言っても20代の方で工学系の学部を卒業しているのであれば、ポテンシャルを期待されて採用される可能性も大いにあります。新卒以外で機械設計職を目指すのであれば、個人的なオススメは「技術者派遣」です。
なぜ技術者派遣なのか詳しい内容は、『未経験から機械系エンジニアへの道|どうやって専門職につく?』の記事で紹介しているので覗いてみて下さい。
求められるスキル
CADのスキル
3D CADのスキルです。今ではほとんどの企業で3D CADを使い設計を行っていますので、ぜひ習得しておきたいスキルの一つです。
特に3D CADソフトとして有名な「CATIA」や「SolidWorks」などの利用経験があると同じソフトを使用している企業が多くあるため、転職が有利になる可能性があります。
CADスキルを証明する資格として「CAD利用技術者試験」や「CAD実務キャリア認定」といった資格もありますので、このような資格を取得しておくのもオススメです。
CAEなどの解析スキル・経験
設計段階で実際にモノを製作する前に機能や性能に問題がないかシミュレーションを行うためのソフトをCAE(Computer Aided Engineering)と言います。
中小企業では導入している企業が少ないかもしれませんが、自動車や家電などの大手メーカーでは利用されることが多いため、CAEでの解析スキルを持っていると転職が有利に進む可能性が高いです。
語学スキル
英語や中国語などの語学スキルも求められるスキルの一つです。
グローバル化が進んだ現代、どの企業でも海外とのやり取りが行われています。海外に生産拠点を作る企業も多く、業務上で英語を使用する機会も多いため、語学スキルをもっていると転職が有利になる可能性が高くなります。
取っておくと有利な資格
技術士
五大国会資格の一つです。この資格をもっていることで技術的な高い信頼性と評価を受けられますが、その分取得が難しい資格となっています。
試験は、第一次と第二次に分かれており、第一次が大学エンニアリング課程程度であり、第二次が技術士となるのに必要な技術部門についての知識と応用力を判定されます。
機械設計エンジニアであれば、21ある技術部門の中から機械部門を選択することになります。
機械設計技術者
機械設技術者の技術力を認定するための試験です。一般財団法人日本機械設計工業会が主催。
民間資格ではありますが、年々知名度が上がっていることや3級から1級まであり段階的に勉強がしやすいこともあり、試験を受ける人が増加している資格です。
機械設計エンジニアとして転職するのであれば、2級以上の取得を目指しましょう。
CAD利用技術者
製図の技術力やCADシステムの運用・管理といったスキルを証明する資格です。
民間資格ではありますが、社会的な知名度がかなり高く「教育訓練給付金制度」や「ジュニアマイスター顕彰制度」の対象にもなっています。
2次元/3次元のCAD利用に対するスキルを証明できるため、取っておいて損はない資格の一つです。
機械設計技術者の年収
機械設計の仕事の平均年収は約449万円。
日本の平均年収に比べるとやや高い傾向にあります。生涯プライヤーとして第一線で設計を行う人もいれば、年齢を重ねた結果、実際の設計業務ではなくマネジメントを主として行う人もいますので、将来どのような将来像を描いているかで年収は大きく変わっていくはずです。
近年では、機械設計の経験や知識を生かすことのできる副業も充実してきており、メインとなる仕事の他に副収入を個人の力で稼いでいくことも可能となっています。
最後に
機械設計職は専門職です。経験を積むことで設計者としての価値も上がっていきます。
何か物を作ることが好き、DIYが好きなど少しでもモノ造りや設計に関わる趣味や好みがあるのであれば、個人的にはオススメの職種です。
市場が売り手市場の今、機械設計者を目指すチャンスも増えています。
もともと設計職に憧れがあったけど、今からだと遅いかも…….なんて事はありません!
思い立った日が吉日です。転職市場も味方をしている今チャレンジしてみては如何でしょうか。
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